ゅあーるえる

万物は自己満足に収束する。

「夜」

静かな「夜」に、独り寂しさを紛らわすように目を瞑る。

 

周りに何もない暗闇があるだけなのに、

どこか深く真っ暗な海の中へ身体ごとゆったりと沈んでいくような感覚が襲う。

 

ふと負の感情の言葉が頭をよぎる。

「もう嫌だ」

「もう無理」

「もう辞めたい」

「諦めたい」

 

続けて、疑問が自分めがけて飛んでくる。

「なぜ生きる?」

「何のために生きる?」

「どうして生きている?」

 

理由なんて知らない。

だけど、「夜」は俺を良く思ってくれないようで、

とても苦しめてくる。

 

残念ながら思考は終わらない。

ぐるぐると駆け巡るマイナスな言葉や疑問。

 

すべてが「嫌」になり、すべてが「敵」と化す。

まさに暗闇こそが本当の「悪」なのかと疑うほどに。

 

胸の動悸が激しく鳴り響き、苦しみ藻掻く。

 

そこで初めて自分の口から溢れ出る言葉。

つらい。

ごめんなさい。

なんで俺はこんなにもダメなんだ。

なんで生きている?

もう諦めてすべてを終わらせたい。

 

滑稽だろう? かっこ悪いだろう?

クソみたいな自責並べて誰に謝ってんだって。

 

泣きながら、必死に唇を噛みしめる。

 

悔しい。

 

そう思った瞬間、ブツリと何かが途切れた。

 

目を開けると、先ほどまで真っ暗闇だった空間に、突き刺すような勢いで光が差し込んだ。

 

あの残酷な「夜」はもう居ない。

 

疲れた顔をして、今日も社会人の仮面を被り自分を偽っていく。

 

「夜」は苦手だ。

 

 

ゅあ