忘れていたもの
忘れてた。
本当に本当に忘れていた。
なんで忘れてんだよ。
ちゃんと持ってるだろ。
持ってるものを使わなきゃ、意味がない。
使わないなら、捨てろ。
無駄。
使わず、過去に縋るから、周りは離れていく。
気づかず、悩んで悩んで、答えはすぐそこにあるのに。
いつしか大事なものを忘れていた。
大事な大事な、過去に役立った簡単なこと。
いつからだろう、今更になって思う。
なぜそうなってしまったのか。
確約は出来ないが、心当たりはある。
一つの成長には、同じくらいの代償を背負う。
いつしか自ら隠してしまった、表面に出なくなった、そんなものがあった。
自分がしてもらいたいのなら、まずは自ら相手に手を差し伸べてあげなくちゃならないのに。
成長する為に人生という時間を費やす。
同じだ。
持ってるだけなんてもったいない。
活かせ、自分の為に人の為に。
自己満足が生んだ償いの為に。
自らの罪を払拭するかのように。
人生時間じゃ足りないというのに。